祖母が亡くなった時、遺品整理の仕分けを手伝いました。
私は生まれた時から10代の後半まで、祖母と同じ家で生活していました。
祖母は私が幼少の頃から見てきたやかんや座布団、食器、ペン立てなど、亡くなるまでずっと同じものを使っていました。やかんはすすがついていたり、座布団もかなり劣化していてボロボロでした。
ほとんどの日用品はかなり劣化していて、役に立っていなかったのではないかというほどです。
まるで時が止まったかのように、私が幼少の頃から見てきたものをずっと使って生活していたのだと思うとなぜか胸が苦しくなりました。
その物を見れば一緒に生活していた頃の思い出が頭をよぎり、切ない気持ちでいっぱいになります。
単にまだ使えるからとか、新しく購入するのはもったいないからという理由だけではなく、その物に対して思い入れや思い出が祖母の中で詰まっていたのではないかと思います。物持ちがいいと言ってしまえばそれまでですが、その深い思いを感じて涙を流しながら遺品整理の仕分けをしました。