祖母の遺品整理の時に驚いたこと

14年ほど前に亡くなった祖母の遺品整理をしたときの事です。

49日も終わり、納骨も済ませ、時々お線香をあげに来るお客様はくるけれども、ほぼ落ち着いたかな?という頃に、遺品整理をしはじめました。生前は意外としっかりしていた方だったので、そうそう変なものはないだろうと思い、気楽に考えていました。

最初の方は鏡や櫛や、洋服靴下などと、想像通りのものがでてきて、これは綺麗だから形見分け用に、これは処分で、と、スイスイ整理が進みました。今日1日でほぼ終わるかな、と母とも話はじめたその時です。箪笥の引き出しから、なにやら不穏な空気を放つ薄汚れた箱が出て来ました。今まで整理した品とは、明かに異なる雰囲気の箱は、人目を避けるように奥に仕舞われたそれは、数十年単位で外に出されていなかったんじゃないかな、と思われました。

触りたくない、このまま見ないフリして捨てたい。そんな気持ちを押さえつつ、開けてみるとまぁ出るわ出るわ。戦時中に起きた身内への不満や、実の兄弟への怨嗟。祖父への文句と恨み辛みや、今もご健在の方々が起こした不倫騒動や世間様には言えないようなの話の数々を記した覚え書きのノート。身内がやっていた会社の、あやしい帳簿らしきもの。その他大きな声で言えないような品々が出て来て、ビックリしました。

簡単に終わりそうだね、と言っていた自分を殴りたかったです。その日両親を交えて話し合い、この箱は中身ごとなかったことにしよう、という事になりました。自分がある程度の年齢になったら、こういう後ろ暗いものは処分しなきゃなあ、と思い知った遺品整理でした。

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